児玉清氏、絶賛

「児玉清氏、絶賛!!」「こんな恋愛小説を待ち焦がれていた。わたしは、
飛行機の中で、涙がとまらなくなった・・・」
こんな帯を目にはしていたもののなかなか手に取ることのなかった恋愛
小説を、このたびようやく読み始めました。

『水曜の朝、午前三時』。正直、このタイトルには全然惹かれるものが
なかったんですよね。
今回手に取ったきっかけは、病院の待合室での時間つぶしです。
この数日は、風邪気味で熱っぽくてもうろうとして目が腫れたりもして、
ちょっと大変でした。

風邪はさておき、この小説、タイトルからは想像できないくらい面白い
です。読み始めたのは昨日のことなのに、まだ本調子ではないので
早めに寝るようにしているはずなのに、すでに話は終盤を迎えています。
通勤電車で読んでいたら、乗り過ごしそうになりました。

  これは、四条直美という女性が病床で吹き込んだ四巻のテープを
 起こしたものである。
  一九九二年の年明けに脳腫瘍の告知を受け、築地の国立がん
 センターに入院した四条直美は、その年の秋に死んだ。(中略)
  テープは直美が危篤に陥る二週間前に、ニューヨークに留学して
 いた一人娘の葉子のもとへ郵送された。

こんな書き出しで、物語は始まります。
葉子の夫である“僕”がテープを書き起こす形で始まりますが、テープの
中身がストーリーなので直美の物語です。彼女が経験するさまざまな
事柄は、巧みに絡まりあって奥深い人生観を考えさせられます。

読みやすい文体なのでむしろ軽快な印象さえあるのですが、本当に
味わい深い。
池上冬樹さんの解説の言葉を借りると、「作品のいたるところで思索が
きらめき、箴言となって、ひとつひとつが心にしみいる」んですね。

まだ、「水曜の朝、午前三時」がどのような意味を持つのかわからない
段階です。そろそろ、また読書に戻ることにします。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック